2022年5月3日火曜日

bullseyeでGrove Base Hat for Raspberry Piが動かない!

 Raspberry Pi OS bullseyeがリリース

2021年10月30日にbullseyeがリリースされましたが、その後Busterも引き続きサポートされていく事がアナウンスされました。本家のNewは2021年12月2日に出されましたが、2021年12月10日にはZD Net Japanが日本語の記事をアップしています。

これに伴ってGrove Base Hat for Raspberry Piの一部センサー等についてbullseyeでは提供されるライブラリで動かなくなったものが出てきた様です。

いずれライブラリもアップデートされるでしょうが今回仕事でGrove Base Hat for Raspberry Pi(以下Hat)を使う必要があったのであえてLegacyを使わずにbullseyeにチャレンジしてみました。

Online one-click installationは使えません

まずはseeed studioのHatのページを見てみるとbullseye以上の場合は「Online one-click installation」が使えないと記載されています。これはbullseyeからPython2が標準インストールされてなくなったのが原因です。但し「Step by step installation」の手順でPython3でインストールすればbullseyeでもHatの利用は可能です。

ほとんどのセンサー類は問題なく動く様です。

では何が問題なのかと言う事ですが、色々と調べてみるとHatライブラリでupmmraaを使っていると問題になるようです。
bullseyeにはupmとmraaはインストールされていないので手動でインストールしようとしてもパッケージが見つからないのでインストール出来ませんでした。
seeed studioのGithubでもupmとmraaについては既にメンテナンスされていない様なのでGroveモジュールでupmとmraaを使用している物は使えないとなっています。

Node-REDで動かしてみる

取り敢えずはbullseyeの環境でインストールしてNode-REDでこちらの温度センサーを使ってみると以下の様なエラ〜メッセージが表示されます。

Error: Command failed: python -u /home/pi/.node-red/node_modules/node-red-contrib-grove-base-hat/grove-temperature-sensor/grove-temperature-sensor.py 2 1651393678682
Traceback (most recent call last):
  File "/home/pi/.node-red/node_modules/node-red-contrib-grove-base-hat/grove-temperature-sensor/grove-temperature-sensor.py", line 26, in <module>
    from grove.factory import Factory
  File "/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/factory/__init__.py", line 2, in <module>
    from .factory import *
  File "/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/factory/factory.py", line 38, in <module>
    from grove.temperature import *
  File "/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/temperature/__init__.py", line 2, in <module>
    from .mcp9808 import TemperMCP9808
  File "/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/temperature/mcp9808.py", line 38, in <module>
    from upm.pyupm_mcp9808 import MCP9808
ModuleNotFoundError: No module named 'upm'
    at ChildProcess.exithandler (child_process.js:383:12)
    at ChildProcess.emit (events.js:400:28)
    at maybeClose (internal/child_process.js:1058:16)
    at Socket.<anonymous> (internal/child_process.js:443:11)
    at Socket.emit (events.js:400:28)
    at Pipe.<anonymous> (net.js:686:12) {
  killed: false,
  code: 1,
  signal: null,
  cmd: 'python -u /home/pi/.node-red/node_modules/node-red-contrib-grove-base-hat/grove-temperature-sensor/grove-temperature-sensor.py 2 1651393678682'
}

この温度センサーではNTC Thermistorを使っているのでMCP9808は使っていないのですがエラーになっています。「grove/temperature/__init__.py」が有無を言わさずに「mcp9808.py」をimportしている様です。

そこでupmとmraaを使用しているモジュールを調べてみると

$ sudo grep -rl upm /usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/jhd1802.py
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/__init__.py
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/sh1107g.py
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/__pycache__/jhd1802.cpython-39.pyc
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/__pycache__/__init__.cpython-39.pyc
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/__pycache__/sh1107g.cpython-39.pyc
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/temperature/mcp9808.py
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/temperature/__pycache__/mcp9808.cpython-39.pyc
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/grove_optical_rotary_encoder.py
$
$sudo grep -rl mraa /usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/sh1107g.py
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/jhd1802.py
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/__pycache__/sh1107g.cpython-39.pyc
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/__pycache__/jhd1802.cpython-39.pyc
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/gpio/gpio_mraa.py
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/gpio/__init__.py
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/gpio/__pycache__/gpio_mraa.cpython-39.pyc
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/gpio/__pycache__/__init__.cpython-39.pyc
/usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/grove_optical_rotary_encoder.py

それぞれのソースにあたってみると、

  • displayでは__init__.pyで直接upmからimportしています。
  • temperatureでは__init__.pyで直接upmをimportしていませんが、__init__.pyでmcp9808.pyをimportしているので間接的にimportされます。
  • grove_optical_rotary_encoderについては光ロータリーエンコーダを使用しなければ問題ありません。
  • gpioについてはRPi.GPIOがインストールされていない場合にgpio_mraaを使用するようになっていますがbullseyeではRPi.GPIOがインストールされているのでmraaは使用されません。

以上からdisplayとtemperatureについて対応してあげれば使用できるようになりそうです。

Groveにパッチを当てる

以下の修正をする事でNode-REDで問題なく温度の測定をする事ができるようになりました。

$ sudo vi /usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/temperature/__init__.py

from .temper import Temper,TemperTypedNTC
### from .mcp9808 import TemperMCP9808

### __all__ = ["Temper", "TemperTypedNTC", "TemperMCP9808"]
__all__ = ["Temper", "TemperTypedNTC"]

$ sudo vi /usr/local/lib/python3.9/dist-packages/grove/display/__init__.py

### from upm.pyupm_lcd import SSD1306, SSD1308, SSD1327
### from .jhd1802 import JHD1802
### from .sh1107g import SH1107G_SSD1327

### __all__ = ["JHD1802", "SH1107G_SSD1327"]
__all__ = []

尚、コメントにしたGroveモジュールについて使用する場合は自分で対応する必要があります。

2022年5月2日月曜日

Raspberry Pi Imager update to v1.7

 知らないうちにRaspberry Pi Imagerが便利になっていた


セミナーでハンズオンを行う機会が多いのですが、その場合ヘッドレスインストールする事がほとんどでした。
この時に今まではssh、Wi-Fiの設定については/bootにファイルを設置することで可能でしたがhostnameを変更することは出来ませんでした。この為、複数のRaspberry Piが「raspberrypi」と言うhostnameでインストールされることになりせっかくZeroconfでssh接続しようと思っても同じhostnameが乱立することになり初期設定手順が煩雑になっていました。

Raspberry Pi Imagerなんてイメージが書き込めればいいと思っていたのでアップデートすることもなくほったらかしになっていたのですがいつの間にか便利機能が追加されていた様です。

今回v1.7になることで日本語対応してくれた様ですが、v1.6の時に便利機能が追加されていた様です。2021年3月19日のNewsにちゃんと紹介されていました(><)

この時はまだCtrl-Shift-Xと裏技的な取り扱いでしたが今回v1.7ではわかり易くなっていましたので日本語化されたその画面を紹介したいと思います。基本的な設定内容はv1.6と変更はありませんので詳細は上記のNewsを見てください。とは言っても画面を見れば判る事ばかりですが。

Raspberry Pi Imager v1.7


起動直後の画面が日本語になっています。
まだこの時点では設定ボタンは表示されていません。


此処でインストールするOSを選択すると


設定ボタンが表示されます。
これをクリックするとこんな画面が表示されてhostnameも設定できる様になっています(@_@)


これなら複数台のRaspberry Piがあって一斉にインストールしてもssh接続で困る事は無くなったのでセミナーがよりスムーズに進みそうです。
また、この設定はインストールのデフォルト設定とする事も可能なので自宅で何回もイメージの書き換えを行う時も楽になりそうです。

※1:bullseyeからユーザpiが自動設定されなくなったのでユーザ名/パスワードの設定を忘れるとbullseyeのヘッドレスインストールではMicroSDへの書き込み後初めての起動で立ち上がらなくなるのでご注意ください。

※2:bullseyeからuserconf.txtを/bootに用意する事で初期ユーザの作成が行われます。

2022年1月3日月曜日

MINDSTORMS Python まとめ

 MINDSTORMS Python 全部入り

今まで実装してきた非同期処理、ステートマシン、独自ライブラリについて全てまとめたソースについてGiHubへ公開しておきました。
非同期処理で距離センサーを使用しながら、ステートマシンで直進します。距離センサーが20cm以内に物体を検知した場合にイベントで通知するので停止するという簡単なプログラムです。
メイン処理、ステートマシンでの処理、非同期処理するプログラムと3つのプロジェクトに分けて作成してあります。
MINDSTORMSのモーターやセンサーオブジェクトはそれぞれでimportしても動くとは思いますが、接続ポートの変更などを考慮してメインで全て定義して引数で渡す様にしています。
独自ライブラリの方ではできるだけ汎用性が出る様にプログラムを作成する様に心がけるなどすると将来的にも役立つと思います。

クラスの継承問題

サンプルプログラムではclassを使ってオブジェクト思考風に設計していますが、ここで1つ問題が出てきます。オブジェクト指向で設計していくと継承を使いたくなりますがプロジェクトを分割した場合、親クラスが自分のプロジェクト内に定義されているか、importする必要があるということです。(クラスだけでなく関数でも同じです。)

サンプルではステートマシン用のプロジェクト内にStateクラスとGoStraightクラス(Stateクラスを継承)が定義されていますが、プログラムが大きるなくと各ステート毎にプロジェクトを分割したくなると思います。(私だとステート毎にプロジェクトに分割すると思います)
StateクラスとStateMachineクラス(やその他共通で使用するクラスや関数)を共通ライブラリ化して1つのプロジェクトとして各ステートではStateクラスなどをimportして使うというやり方です。
GoStraightクラスを別プロジェクトにした例が以下です。(Project3.pyとします)

import json

class CopyProject:
    def __init__(self):
        f = open('projects/.slots', 'r')
        data = f.read()
        f.close()
        self.slots = json.loads(data.replace('\'', '"'))

    def getID(self, no):
        return self.slots[no]['id']

    def copy(self, no_from, no_to, name):
        from_path = 'projects/{}/__init__.mpy'.format(self.slots[no_from]['id'])
        to_path = 'projects/{}/{}.mpy'.format(self.slots[no_to]['id'], name)
        f = open(from_path, 'rb')
        data = f.read()
        f.close()
        f = open(to_path, 'wb')
        f.write(data)
        f.close()

cp = CopyProject()
cp.copy(1, 3, 'lib1')
from .lib1 import State

# 直進
class GoStraight(State):
    def __init__(self, name: String, wheels):
        super().__init__(name)
        self.__wheels = wheels

    def entry(self):
        self.__wheels.start(0, -20)

    def exit(self):
        self.__wheels.stop()

if __file__.split('/')[3] == '__init__.mpy':
    print(__file__)

Stateのimportを行わないとプロジェクトをアップロードする時にStateが無いというエラーが出てアップロードすることが出来ません。またStateをimportするのはアップロードする時だけて良さそうですが(ライブラリとしてimportされる場合は、事前にStateをimportしておく)、GoStraightをimportする時もStateをimportしていないとエラーとなります。

CopyProjectクラスだけはimportして使うことが出来ないので、今回の例の様にStateクラスの提供する機能が殆どない様なケースではGoStraightクラスではStateクラスを継承せずに必要なメソッドは自力でコーディングしておく方がソースがスッキリする様です。

共通ライブラリ化の場合は参照関係を整理して助長性とのトレードオフを考える必要がありそうです。


2022年1月2日日曜日

MINDSTORMS Pythonで if __name__ == "__main__"

 if __name__ == "__main__"

Pythonのドキュメントによると

モジュールは、自身の __name__ をチェックすることでメインスコープで実行されているかどうかを確認できます。これはモジュールがスクリプトとして、あるいはインポートでなく python -m で起動されたときに実行するコードの条件として使用できる一般的なイディオムです:

とあります。
ライブラリを作成している時にテストコードを書く場合に良く使用されますが、今回のLEGOでのライブラリ化では使用できませんでした。

色々試した結果以下の方法で実現できました。

LEGOでif __name__ == "__main__"

プロジェクトとして実行された場合にHUBのメモリやディスクの使用状況を表示しています。

if __file__.split('/')[3] == '__init__.mpy':
    import os
    import gc
    import micropython
    print('-----------------------------')
    stat = os.statvfs('/')
    total_size = stat[0] * stat[2]
    free_size = stat[0] * stat[4]
    print('each block is {} bytes big'.format(stat[0]))
    print("in bytes, that's {} bytes free out of a total of {}".format(free_size, total_size))
    print('-----------------------------')
    gc.collect()
    micropython.mem_info()
    print('-----------------------------')
    print('Initial free: {} allocated: {}'.format(gc.mem_free(), gc.mem_alloc()))
    print('-----------------------------')    
実行すると
-----------------------------
each block is 4096 bytes big
in bytes, that's 29052928 bytes free out of a total of 32505856
-----------------------------
mem: total=595907, current=402437, peak=404485
stack: 1052 out of 7168
GC: total: 242368, used: 193024, free: 49344
 No. of 1-blocks: 3072, 2-blocks: 892, max blk sz: 321, max free sz: 869
-----------------------------
Initial free: 49344 allocated: 193024
-----------------------------
ストレージとしては32Mバイトの殆どが空いていることがわかります。
また、MicroPythonの場合、実行中のプログラムがオブジェクトをインスタンス化すると、必要なメモリがヒープから割り当てられますが、その空き容量が49Kバイト程あることもわかります。

2022年1月1日土曜日

LEGO MINDSTORMS Pythonで独自ライブラリ

 MINDSTORMSのPythonでは独自ライブりの利用ができないのである程度の規模のプログラムではソースが大きくなって見通しが悪くなるというお話をしました。ただ、MINDSTORMSのHUBでは0〜19までの20種類のプログラムをアップロードできて、LEGO本体(以下HUB)のキー操作で選択して実行することができるようになっています。この機能を使えばLEGOには20種類のPythonプログラム(LEGOアプリではプロジェクト:以下プロジェクト)をアップロードできることになります。

ということでアップロードしたプロジェクトはHUBに保存されているはずなのでライブラリとして作成したものをアップロードしてそれをimportすれば、なんちゃってライブラリとして使えるのではないかなと考えHUBの方を少し調べてみました。

MINDSTORMS HUBの調査


注意:以下の内容はMINDSTORMSのHUBを直接操作しますので、自己責任でお願いいたします。

先日MINDSTORMSのMicroPythonのバージョン調査した時は特に説明をしませんでしたがHUBとUSBないしはBluetoothで接続するとPCとシリアル接続ができます。このシリアルポートを使ってMicroPythonをキーボードから操作することができます。
シリアル通信が可能なソフトならなんでも良いのですが私はTeraTermを利用していますが、TeraTermを利用してHUBと接続する方法はこちらの説明が分かり易いと思います。尚、記事の「インストール」については作業する必要はなく「REPL(コンソール/コマンドライン)による実行」の部分だけ参考にすればHUBとの接続は可能です。

HUBとの接続ができると後はMicroPythonのインタプリタに接続した状態になりますので、適時プログラムを入力することでHUBの中身を調査していきます。

>>> import os
>>> os.listdir()
['boot.py', 'bt-lk1.dat', 'bt-lk2.dat', 'main.py', 'util', 'projects', 'runtime', 'system', '_api',
 'commands', 'event_loop', 'mindstorms', 'programrunner', 'protocol', 'sounds', 'spike', 'ui',
 'hub_runtime.mpy', 'version.py', '.runtime_hash', 'etc', 'extra_files', '.extra_files_hash',
 'runtime.log']
 注)見やすくする為、行を折り返しています。
いろいろなファイルやディレクトリがありますね。ファイル拡張子が.pyはPythonのソースファイル、.mpyはソースをコンパイルしMicroPythonのバイトコードに変換されたコードオブジェクトになります。
今後ファイルの中身を見る必要も何回かあると思うので、まずはテキストファイルの中身を表示する関数catを作成しておきます。
では早速main.pyの中を覗いてみます。
>>> def cat(name):
...        f = open(name, 'r')
...        src = f.read()
...        f.close()
...        print(src)
...
...
...
>>> cat('main.py')
import gc
import micropython

import hub_runtime

micropython.alloc_emergency_exception_buf(256)

hub_runtime.start()
hub_runtimeについてhelpを見てみます。
>>> help(hub_runtime)
object <module 'hub_runtime' from 'hub_runtime.mpy'> is of type module
  HubUI -- <class 'HubUI'>
  LinegraphMonitorMethods -- <class 'LinegraphMonitorMethods'>
  SoundMethods -- <class 'SoundMethods'>
  BT_VCP -- BT_VCP(0)
  ProgramRunner -- <class 'ProgramRunner'>
  __connection_changed -- <function __connection_changed at 0x20038b70>
  error_handler -- <ErrorHandler object at 20020e00>
  init -- <function init at 0x20038b40>
  TIMER_PACE_HIGH -- 16
  __file__ -- hub_runtime.mpy
  start -- <function start at 0x20038b60>
  LightMethods -- <class 'LightMethods'>
  ProgramMethods -- <class 'ProgramMethods'>
  initialize_ports -- <function initialize_ports at 0x200197b0>
  pop_force_reset -- <function pop_force_reset at 0x2001d200>
  cleanup_slot_list -- <function cleanup_slot_list at 0x2001d070>
  notify_orientation_event -- <function notify_orientation_event at 0x2001d390>
  USB_VCP -- USB_VCP(0)
  __name__ -- hub_runtime
  HubMethods -- <class 'HubMethods'>
  MotorMethods -- <class 'MotorMethods'>
  hub -- <module 'hub'>
  RPCProtocol -- <class 'RPCProtocol'>
  system -- <System object at 200296b0>
  notify_button_event -- <function notify_button_event at 0x2001d290>
  get_event_loop -- <function get_event_loop at 0x200155c0>
  notify_gesture_event -- <function notify_gesture_event at 0x2001d380>
  WaitMethods -- <class 'WaitMethods'>
  RTTimer -- <class 'RTTimer'>
  RadioBroadcastMethods -- <class 'RadioBroadcastMethods'>
  Timer -- <class 'Timer'>
  DeviceMethods -- <class 'DeviceMethods'>
  runtime -- <module 'runtime' from 'runtime/__init__.mpy'>
  MoveMethods -- <class 'MoveMethods'>
>>>
いろいろな関数やクラスが定義されいます。ProgramRunnerクラスが実際に作成したプロジェクトを実行する為のクラスかなと想像できます。時間ができたらそれぞれについてもう少し調べてみたいと思います。
次にフォルダの中身を見ていきたいと思いますがprojectsフォルダはその名前から作成したプロジェクトを保存していると思われます。
>>> os.listdir('projects')
['standalone_', 'standalone.mpy', '.slots', '15015', '13191', '21493', '7000']
>>>
現在4つのプロジェクトをアップロードしてあるので数字の部分がプロジェクトのようです。LEGOアプリからアップロードを繰り返すと同じプロジェクトをアップロードしてもこの数字は変更されるようです。プロジェクトを修正してアップロードする度に名前が変わってしまうのではimportする時にその都度importする名前を変更する必要があるので使い勝手が悪くなってしまいます。
そこで「.slots」の中身を覗いてみましょう。
>>> cat('projects/.slots')
{
 0: {'name': 'UHJvamVjdCAw', 'id': 13191, 'modified': 1641021587911, 'type': 'python', 'project_id': 'E7DDg6MLrjmB', 'created': 1640675556147},
 1: {'name': 'UHJvamVjdCAx', 'id': 15015, 'modified': 1641019129550, 'type': 'python', 'project_id': '53cym18n7Gxv', 'created': 1640932342297},
 2: {'name': 'UHJvamVjdCAy', 'project_id': 'PTGPVlM9kK14', 'modified': 1641026738726, 'created': 1640934681576, 'id': 21493, 'type': 'python'},
 3: {'name': 'UHJvamVjdCAz', 'type': 'scratch', 'modified': 1641028117920, 'id': 7000, 'project_id': 'objY1Z0dw-Ep', 'created': 1641028058971}}
>>>
注)見やすくする為、一部改行しています。
このファイルでアップロードしたプロジェクトを管理しているようです。プロジェクトをアップロードする0〜19の番号のことはスロットと呼んでいるんですね。またprojectsフォルダ内に作成されている数字のidは調べたところファイルではなくフォルダでした。
そこでこのフォルダの中を見てみると
>>> os.listdir('projects/15015')
['__init__.mpy']
>>>
となっていて、作成したプロジェクトはコンパイルされて「__init__.mpy」というファイル名でHUBへアップロードされていました。
この「__init__.mpy」または「__init__.py」というファイル名はPythonを少し勉強した方ならご存知のように特別なファイル名です。(知りたい方はこちらを参照すると纏まっています)
また、LEGOのMicroPythonの制限なのか色々やってみましたがimportすることが出来ませんでした。(私の力不足なのかもしれませんが・・・)

結論として以下の方法でimportすることができるようになりました。

  1. 別のスロットの「__init__.mpy」を自スロットへ「xxx.mpy」(xxxは任意)としてコピーする。
  2. 「from .xxx import <識別子名>」で必要なクラスや関数をimportする。

ということで前回のステートマシンのサンプルを元にState, StateMachineクラスをライブラリとして分離したものを以下に示します。

別スロットのプロジェクトをimportする


スロット1にState, StateMachineクラスを定義したプロジェクトを、スロット0に以下のプログラムをアップロードしてテストしています。

注)今後LEGOによる仕様変更で以下の方法が利用できなる可能性もあります。

from mindstorms import MSHub, Motor, MotorPair, ColorSensor, DistanceSensor, App
from mindstorms.control import wait_for_seconds, wait_until, Timer
from mindstorms.operator import greater_than, greater_than_or_equal_to, less_than, less_than_or_equal_to, equal_to, not_equal_to
import math
import json

# 別スロットからのimport用コピー
class CopyProject:
    def __init__(self):
        f = open('projects/.slots', 'r')
        data = f.read()
        f.close()
        self.slots = json.loads(data.replace('\'', '"'))

    def getID(self, no):
        return self.slots[no]['id']

    def copy(self, no_from, no_to, name):
        from_path = 'projects/{}/__init__.mpy'.format(self.slots[no_from]['id'])
        to_path = 'projects/{}/{}.mpy'.format(self.slots[no_to]['id'], name)
        f = open(from_path, 'rb')
        data = f.read()
        f.close()
        f = open(to_path, 'wb')
        f.write(data)
        f.close()

cp = CopyProject()
cp.copy(1, 0, 'lib1')

from .lib1 import State, StateMachine

# オブジェクトの定義
app = App()
hub = MSHub()
wheels = MotorPair(MSHub.PORT_B, MSHub.PORT_A)
arm = Motor(MSHub.PORT_C)
distance_sensor = DistanceSensor(MSHub.PORT_D)
color_sensor = ColorSensor(MSHub.PORT_E)

# ステートの定義
STATE_EXIT = "exit"
STATE_GO_STRAIGHT = "GoStraight"

# 直進
class GoStraight(State):
    def __init__(self, name: String = STATE_GO_STRAIGHT):
        super().__init__(name)

    def entry(self):
        wheels.start(0, -20)

    def do(self) -> String:
        distance = distance_sensor.get_distance_cm()
        if distance and distance < 20: # 測定不能の場合None
            return STATE_EXIT
        return None

    def exit(self):
        wheels.stop()

# メイン処理
class Main:
    def __init__(self):
        self.__stateMachine = StateMachine()
        self.__stateMachine.add(State(STATE_EXIT))
        self.setup()
        self.loop()

    def setup(self):
        # ステートの登録
        self.__stateMachine.add(GoStraight())
        # 開始ステートへ切り替える
        self.__stateMachine.changeTo(STATE_GO_STRAIGHT)
        
    def loop(self):
        while self.__stateMachine.currentState != STATE_EXIT:
            nextState = self.__stateMachine.run()
            if nextState:
                self.__stateMachine.changeTo(nextState)
            # 外部よりのステートマシン終了
            if hub.right_button.is_pressed():
                print("right button is pressed !")
                self.__stateMachine.changeTo(STATE_EXIT)

# プログラム開始指示を待つ
hub.left_button.wait_until_pressed()
hub.speaker.beep()
# プログラム開始
Main()
# プログラム終了(メニューに戻る)
raise SystemExit

2021年12月31日金曜日

LEGO MINDSTORMS でステートマシン

なんちゃってスレッドができるようになりましたが、プログラムを勉強していくとまずはモジュール化という考え方が必要になってきます。

Scratchではスプライトというオブジェクト毎にプログラムを作成するということで自然とモジュール化されるようになっていますし、ブロック化やメッセージ送信・受信ということで意識的にモジュール化することも可能です。

私がプログラミングを始めた頃は構造化プログラミングという言葉が流行っていましたがその後、オブジェクト指向、イベント駆動、データ駆動、ドメイン駆動にテスト駆動とプログラミング界隈でもいろいろな言葉が流行りましたが、基本は構造化プログラミングかなと個人的には思っています。

おそらくなんでもそうなんでしょうがある程度のところまでは才能だけで行くことが出来ますが、その上に行くにはやはり基本が大切なのかなと思います。

以下にMINDSTORMSのMicroPythonでのステートマシンのプログラム例を示しますが、ステートマシンは複雑な振る舞いの制御によく使われていて、ROS(Robot Operating System)ではsmachパッケージとしてPythonで利用できるようになっています。

MINDSTORMS用ステートマシン

必要に応じてuasyncioを利用した非同期処理を組み込めば複雑な処理も可能になりますが、その場合はイベント(uasyncuo.Event)によるタスク同期なども考える必要が出てきます。

from mindstorms import MSHub, Motor, MotorPair, ColorSensor, DistanceSensor, App
from mindstorms.control import wait_for_seconds, wait_until, Timer
from mindstorms.operator import greater_than, greater_than_or_equal_to, less_than, less_than_or_equal_to, equal_to, not_equal_to
import math

# オブジェクトの定義
app = App()
hub = MSHub()
wheels = MotorPair(MSHub.PORT_B, MSHub.PORT_A)
arm = Motor(MSHub.PORT_C)
distance_sensor = DistanceSensor(MSHub.PORT_D)
color_sensor = ColorSensor(MSHub.PORT_E)

# ステートの定義
STATE_EXIT = "exit"
STATE_GO_STRAIGHT = "GoStraight"

# ステートクラス(基底クラス)
class State(object):
    def __init__(self, name: String):
        self.__name = name
        self.__action = None

    @property
    def name(self):
        return self.__name

    def entry(self):
        pass

    def do(self) -> String:
        return None

    def exit(self):
        pass

# ステートマシンクラス
class StateMachine(object):
    def __init__(self):
        self.__stateList = {}
        self.__now = None

    @property
    def currentState(self):
        return self.__now.name if self.__now else ""

    def add(self, state: State):
        self.__stateList[state.name] = state

    def changeTo(self, tag: String):
        if self.__now:
            self.__now.exit()
        self.__now = self.__stateList[tag]
        if self.__now:
            self.__now.entry()

    def run(self) -> String:
        if self.__now:
            return self.__now.do()
        return None

# 直進
class GoStraight(State):
    def __init__(self, name: String = STATE_GO_STRAIGHT):
        super().__init__(name)

    def entry(self):
        wheels.start(0, -20)

    def do(self) -> String:
        distance = distance_sensor.get_distance_cm()
        if distance and distance < 20: # 測定不能の場合None
            return STATE_EXIT
        return None

    def exit(self):
        wheels.stop()

# メイン処理
class Main:
    def __init__(self):
        self.__stateMachine = StateMachine()
        self.__stateMachine.add(State(STATE_EXIT))
        self.setup()
        self.loop()

    def setup(self):
        # ステートの登録
        self.__stateMachine.add(GoStraight())
        # 開始ステートへ切り替える
        self.__stateMachine.changeTo(STATE_GO_STRAIGHT)
        
    def loop(self):
        while self.__stateMachine.currentState != STATE_EXIT:
            nextState = self.__stateMachine.run()
            if nextState:
                self.__stateMachine.changeTo(nextState)
            # 外部よりのステートマシン終了
            if hub.right_button.is_pressed():
                print("right button is pressed !")
                self.__stateMachine.changeTo(STATE_EXIT)

# プログラム開始指示を待つ
hub.left_button.wait_until_pressed()
hub.speaker.beep()
# プログラム開始
Main()
# プログラム終了(メニューに戻る)
raise SystemExit

2021年12月30日木曜日

LEGO MINDSTORMS Pythonでなんちゃってスレッド2

 先日はジェネレータベースのコールチンを実装してみましたが、Python 3.10からはこのジェネレータベースのコールチンは廃止が予定されているようです。
MINDSTORMSのMicroPythonは3.4.0をベースとしたもののようです。

MicroPython v1.14-893-gbae6ff2ee on 2021-11-04; LEGO Technic Large Hub with STM32F413xx
Type "help()" for more information.
>>> import sys
>>> sys.version
'3.4.0'
>>>
現在のPythonの最新バージョンが3.10なのでMINDSTORMSのMicroPythonが3.10になることはまずないとは思いますが、プログラマを目指す子供たちはasyncioベースのコールチンに慣れておくべきかなと思います。(あまり使用することはないとは思いますがw)

コールチンをしっかりと理解しておくとスレッドやタスクといった概念についても理解しやすくなるでしょう。最近ではAndroidアプリの開発でもHTTPアクセス処理などでコールチンを利用した非同期処理が推奨されているようです。

uasyncioと一緒に使うコールチン


基本的なプログラムの作り方はジェネレータベースのコールチンとほぼ同じです。
async defで定義した関数の中でawaitでコールチンの処理を待つようにプログラミングするのが基本になります。実例を見た方が早いですね。
「yield True」を「await uasyncio.sleep_ms(1)」に書き換えた感じです。尚awaitするのはコールチンであれば良いので「uasyncio.sleep_ms(1)」でなく独自のメソッドを指定することも可能です。

コールチンの処理を終了させる方法はジェネレータベースのコールチンと同じ方法(コメントにしてあります)とuasyncio.Taskクラスが提供するcancel()メソッドを利用する方法があります。

uasyncioと一緒に使う方法ではメイン処理もコールチンになっているので適時awaitで処理を切り替えることが可能です。

from mindstorms import MSHub, Motor, MotorPair, ColorSensor, DistanceSensor, App
from mindstorms.control import wait_for_seconds, wait_until, Timer
from mindstorms.operator import greater_than, greater_than_or_equal_to, less_than, less_than_or_equal_to, equal_to, not_equal_to
import math
import uasyncio

# オブジェクトの定義
app = App()
hub = MSHub()
wheels = MotorPair(MSHub.PORT_B, MSHub.PORT_A)
arm = Motor(MSHub.PORT_C)
distance_sensor = DistanceSensor(MSHub.PORT_D)
color_sensor = ColorSensor(MSHub.PORT_E)

# ステートの定義
STATE_START = 1
STATE_EXIT = -1

# コールチンクラス
class Coroutine1:
    def __init__(self):
        self.__distance = -1
        self.__loop = True

    @property
    def distance(self):
        return self.__distance

    def stop(self):
        self.__loop = False

    async def run(self):
        try:
            while self.__loop:
                await self.__done()
        finally:
            print("Coroutine1 end!")

    async def __done(self):
        self.__distance = distance_sensor.get_distance_cm()
        print(self.__distance)
        await uasyncio.sleep_ms(1)
        if self.__distance and self.__distance < 15:
            print("The wall is near!")
            await uasyncio.sleep_ms(1)

# メイン処理
class Main:
    def __init__(self):
        self.state = STATE_START
        self.setup()
        uasyncio.run(self.run())

    def setup(self):
        self.__coroutines = []
        self.__coroutines.append(Coroutine1())

    async def run(self):
        self.__tasks = []
        for c in self.__coroutines:
            self.__tasks.append(uasyncio.create_task(c.run()))
        while self.state != STATE_EXIT:
            if hub.right_button.is_pressed():
                print("right button is pressed !")
                #for task in self.__coroutines:
                #    task.stop()
                for task in self.__tasks:
                    task.cancel()
                await uasyncio.sleep_ms(30)
                self.state = STATE_EXIT
            else:
                self.__done()
                await uasyncio.sleep_ms(1) # コールチンに処理を譲る

    def __done(self):
        print("Main keep alive!")

# プログラム開始指示を待つ
hub.left_button.wait_until_pressed()
hub.speaker.beep()
# プログラム開始
Main()
# プログラム終了(メニューに戻る)
raise SystemExit

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